https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD0566V0V01C21A1000000
米デジタルアーティストの作品に75億円、日本の子どもが描いたドット絵に380万円などなど。
今年の初めごろから、デジタルアートの景気のいいニュースをよく聞くようになった。
まったく同じものは二度と描けないリアルな絵画と違って、デジタルアートのもとはデータ。
このデータがあれば、オリジナルとまったく同じ作品を出現させるのもボタンひとつで可能となってしまう。
そんなデジタルアートの世界に登場したのが、NFTという仕組みだ。
日本語にすると「非代替性トークン」で、代替できない唯一無二のデータですよという印みたいなもの。
つまりNFTアートとは、オリジナルのお墨付きをもらった、デジタルアート作品のことを指す。
NFTの登場によってデジタルアートは売買がしやすくなり、自由に売買されるネット上のマーケットも誕生。
プロのデジタルアーティストだけでなく、誰でも作品を出品できて、ヘタをすると億万長者に、なんて夢も持てるようになった。
絵心はないが、ペイントソフトは持っているので、"作品"をNFTアートとして売ってみた。
売買で使われるのは、特定の仮想通貨のみ。「ガス代」と呼ばれる手数料も仮想通貨で支払うため、まずは仮想通貨を購入する必要がある。
その仮想通貨を、あっちに入金したり、こっちで別の通貨に替えたりしながら、最後にNFTアートのマーケットサイトに登録。
これでマーケットの作品を買ったり、自分の作品を売ったりすることが可能になる。
仮想通貨の購入や送金などにやっぱり仮想通貨がかかる。
そうしてレートをにらみつつ進めること約1週間、できるだけ安い方法で出品したつもりだが、それでももろもろ2万円ほど投入して、息も絶え絶えで出品を終えた。
手軽に描けるドット絵の描き方を調べる余裕もなく、未完成がミエミエの作品に「途中」とタイトルを付けて売り出した。
どっかの富豪が目を付けてくれている気配は……まだ一切ない。
絵画教室「アトリエべる」(東京・港)では、子ども向けにオンラインでデジタルアートを学ぶコースを開設。保護者がNFTアートとして販売するためのサポートもある。

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