https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77343080X01C21A1MM8000/
東北や信越の農業が盛んな県で集票力を高める一方、大都市や女性層は勢いがなく、様々な断絶が浮かび上がる。
衆院選で自民は単独で絶対安定多数の261議席を得たが、背景に40歳未満の強い支持がある。
40歳未満の集計結果で全465議席を配分すると自民が295.5議席になった。
実際の261議席を34上回る。
同じ手法で60歳以上をみると40歳未満と対照的な結果が出た。
自民は223議席で単独過半数を維持できない。
地域差も探った。都道府県別に自民の比例代表の得票率を2017年衆院選と比べると、長野、高知、秋田、山形、福島の各県が6ポイントを超す伸びをみせている。
農業が盛んな地域が並ぶ。
17年衆院選や19年参院選では環太平洋経済連携協定(TPP)への懸念から農業票が野党に流れたと分析された。
今回は傾向が変わった。
反対に得票率が下がったのは8府県だった。
維新が伸長した近畿は大阪の7ポイントを筆頭に全6府県で下落した。
神奈川も低下、東京は上昇幅がわずかで、大都市部は自民に比較的厳しい結果になった。
若い世代は経済が成長せず、社会保障改革が進まなければ将来負担が膨らみかねない。
この危機感が自民支持に傾く背景と考えられる。
改革を強調した維新が近畿を中心に伸びた要因とも言えそうだ。
一方で社保改革のあおりを受けかねない高齢者は分配志向の野党への支持を強めたとみられる。
新型コロナウイルス禍で雇用や生活の打撃が大きい女性、感染が広がった大都市部は政権不信が根強い可能性がある。

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