https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77277210U1A101C2EN8000
在宅勤務の定着でオフィスの賃料の下落が止まらない一方、日銀などの緩和マネーで不動産価格は高騰している。
足元で増資による物件取得が進むが「三重苦」への懸念から、成長への期待はしぼんでいる。
金利上昇への懸念だ。
世界的なインフレ高進で利上げ時期の前倒しを迫られるとの見方は多い。
米国以外でも、英国や欧州連合(EU)など日本を除く先進国で利上げ観測は強まっている。
世界的な金利の上昇はREITのような利回り商品からの退避につながる。
さらにREITは物件取得の借入金が多いため金利上昇時の負担は重い。
懸念はそれだけではない。
S&Pの先進国REIT指数(日本除く、ドル建て)は年初から26%高となる一方、日本は6%高と主要国で突出して伸び悩んでいる。
オフィス仲介の三鬼商事(東京・中央)によると、東京都心5区のオフィス空室率は9月時点で6.43%と約7年ぶりの高水準となっており、平均賃料も約3年ぶりの水準まで下落している。
その一方で、物件取得にかかる費用は高止まりしている。
国土交通省が1年に1度公表する公示地価では、東京圏・商業地の平均価格が21年に前年比で1%下落したものの、緩和マネーの流入などでいまだ1995年以来の高水準にある。
上値の重い展開が続きそうだ。

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