https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC226IE0S1A021C2000000
日本経済新聞社がまとめた2021年のオフィスビル賃貸料調査によると、9月時点の東京のビルの賃料水準が10年ぶりに前年同期と比べ下がった。
コスト削減に伴う面積縮小にとどまらず、在宅勤務の定着によるオフィス需要の変化が不動産市場の構造に変革を迫っている。
オフィスビル市況を巡っては、08年のリーマン・ショックや11年の東日本大震災で大きく低迷。
その後安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」などを契機に上昇すると、東京などではコロナ禍の直前まで旺盛なオフィス需要が続いていた。
コロナ禍後、通信・IT(情報技術)企業を中心にオフィスの見直しが進み、足元では機運が多くの業種に広がっている。
ヤフーは11月までに都内のオフィスを4割縮小。
富士通やNTTコミュニケーションズも縮小を進めている。クボタも都内に分散している拠点を東京本社に集約する。
オフィス仲介大手の三鬼商事(東京・中央)によると、東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の空室率は21年9月時点で6.43%。
最も低い20年2月の1.49%から跳ね上がり、供給過剰の目安となる5%を8カ月連続で上回る。
ビルの貸し手側にも変化を迫る。三井不動産や野村不動産は企業の本社オフィスの誘致に加え、シェアオフィス事業に注力する。
東急不動産の岡田正志社長は「ホテルでのワーケーションとの組み合わせなども含め企業の働き方を満たす提案をする必要がある」と話す。
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