相続空き家、上手に売る 管理怠らず税特例も確認

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOMH20B310Q1A021C2000000

 

総務省の調査によると全国の空き家は2018年に846万戸と、この20年で約1.5倍に増えた。

 

空き家の取得方法は「相続」が最多の54.6%を占め、所有者の約20%が「5年以内に売却・賃貸」を希望している。

 

近所の人が買う場合も

 

まず買い手が付きやすいのは、駅に近い住宅地に立地するなど市場価値がある物件だ。

 

交通が不便な地域は一般的に売却は難航しやすいが、立地条件があまりよくなくても買い手が見つかる場合はある。

 

「近所の人が駐車場や自分の子どものために購入することも少なくない」と司法書士の船橋幹男氏は話す。

 

売却する際は、最初に近隣の人に持ちかけるのが選択肢になるという。

 

条件満たせば最高3000万円控除

 

相続空き家を売却するなら、「3000万円特別控除」と呼ばれる特例が見逃せない。

特例は23年12月末までに売却した場合に適用される。

主な条件を具体的にみてみよう。

物件は1981年5月末までに建築した戸建てが対象で、相続発生日から3年後の12月末までに売る必要がある。

売却する際に耐震リフォームを実施するか、家屋を取り壊して敷地のみを売却するかのいずれかであることも条件だ。

売却金額は1億円以下という点も満たす必要がある。

また、特例を受けるには売却年の翌年に確定申告が必要なことも知っておきたい。

相続税がかかるなら、「取得費加算特例」という制度が一案になる。物件の取得費に相続税を加えることができる。

ただし「相続空き家の3000万円特別控除とは併用できない」(藤曲氏)ので注意が必要だ。