https://www.nikkei.com/article/DGKKZO76960890V21C21A0L61000
東京都内在住の40歳代の会社員男性。総額3億5000万円の融資を受けているこの男性は15~16年、九州と四国で2棟の中古アパートを購入した。
中古マンションの提案を不動産業者から受けたとき、セットになっていたのがスルガ銀行のアパートローンだった。
15年12月、ファミリーレストランで会ったスルガ銀行の行員は「お忙しいでしょうから手続きはこちらでやります」。
契約書と同時に白紙の振込伝票に署名となつ印するよう依頼してきた。
「抱き合わせの保険やカードローンの契約書など多くの書類があり、何をしているのかわからなくなってしまった」
結局、この男性は18年に赤字経営に陥った。
「借り換え融資を受けられないか何十行も回った。
物件価格と借換額が見合わず、物件の売却相談もしたが購入ローンの残債から1億円引かないと売却もできない状況だった」と振り返る。
19年11月~21年3月にかけて3回にわたってスルガ銀行に審査書類一式の情報開示を求めると、あるはずのない定期預金が書かれた通帳や契約賃料が上積みされたレントロールが出てきた。
自分の預金通帳にある金額より7000万円以上水増しされていた。
「状況証拠はそろっても『どのように不正があったのか』はスルガにしか説明できない」。
個別解決の難しさを訴える。
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