https://www.nikkei.com/article/DGKKZO76934750U1A021C2MM8000/
政府の新型コロナウイルス対策が下支えし、企業倒産は半世紀ぶりの少なさにとどまる。
だが零細企業の負債は50兆円を超え、無利子・無担保の制度融資は過半が22年末までに返済が始まる。
収益力が戻らなければ倒産が増加に転じかねず、コロナ収束に向け時間との戦いが続く。
借入金から手元の現金を引いた実質有利子負債をEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)で割った返済負担を調べると、21年3月末に4.9倍だった。
リーマン直後の09年3月末の5.2倍に近づいた。
この倍率は、毎年の利益を借金返済のみに充てた場合に完済まで必要な年数を示す。
資本金が1億円を上回る大企業は4.7倍にとどまる一方、1000万円未満は14倍近い。
中小・零細の比率が高い飲食サービスなどの赤字が響いた。
一方で倒産は抑え込まれている。東京商工リサーチによると、21年度上半期の企業倒産は2937件と1年前から24%減り、57年ぶりの少なさだった。
企業倒産が1万5000件を超え、失業問題に発展した09年と対照的だ。
中小企業を支えるには事業再生支援を通じた収益改善が欠かせない。
融資拡大で問題を先送りし続ければ危機の芽は膨らんでいく。
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