ZOZO元幹部が挑む「海のテスラ」電気運搬船、多難の道

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC276J30X20C21A9000000

 

 

25年に初号船

パワーエックスは造船大手と連携し、25年までに電気運搬船の初号船を建造。実海域での電力輸送を試験的に始める。

 

パワーエックスを立ち上げた伊藤社長は「海底ケーブルから解放されれば、風車設置の自由度が増す」と指摘。

 

「電気の燃料を運ぶ時代から、電気そのものを運ぶ時代に変える」と意気込む。

 

パワーエックスの取締役にはテスラ元幹部で、スウェーデンのバッテリー大手ノースボルトのCOOを務めるパオロ・セルッティ氏や、米グーグル元幹部のシーザー・セングプタ氏らが名を連ねている。

 

祖父は伊藤ハム創業者

電気運搬船という革新的な事業に挑む伊藤社長。1983年に東京・目黒で生まれ、祖父は伊藤ハム創業者の伊藤伝三氏、父は3代目社長の伊藤正視氏という事業が身近な環境で育った。

 

3歳からインターナショナルスクールに通った。

 

両親が大学進学のために準備していた資金を元手に2000年、17歳の若さで3次元(3D)コンテンツ事業を展開する「ヤッパ」を設立。

その後、イスラエルのスタートアップを買収し、スマートフォン向けアプリ開発や電子書籍事業を展開した。

世界を舞台に活躍する人材育成を目的に、03年に設立された「日本の次世代リーダー養成塾」では、マレーシアのマハティール元首相や奥田碩経団連会長(当時)とともに講師を務めた。

「不可能を可能にする力」と題してビジネス論を熱く語り、参加した高校生を魅了した。

14年にヤッパの発行済み全株式を株式交換によりスタートトゥデイ(現ZOZO)に売却し、15年にシステム開発を行うスタートトゥデイ工務店(現ZOZO NEXT)の社長に就任。

全身採寸スーツ「ZOZOスーツ」などの開発に携わった。

ZOZO創業者、前沢友作氏が19年9月に社長退任後は同社COOとして事業を率い、21年6月に退任した。