https://www.nikkei.com/article/DGXZQOMC277B40X20C21A9000000
「上場企業の直近四半期の決算を一通りチェックした。前年同期や前四半期に比べて業績が大きく伸びている企業が特定の業種に集中していた」
こう振り返るのは、関西周辺に住む株式投資ブロガー、はっしゃんさん(ハンドルネーム)だ。
個別株への投資で3億円を超す資産を築いた。2019年には、勤務先を退職して会社員を卒業。
株式投資を続けながら、ソフト会社のエンジニアとして培ったIT(情報技術)スキルを生かして、ITの会社を立ち上げた。
株式投資の主軸は、成長株の長期集中投資。EPS(1株当たり純利益)、BPS(1株当たり純資産)、ROE(自己資本利益率)といった指標を基に、独自の計算法で企業の価値に見合う理論上の株価を算出する。
この理論株価を実際の株価が大きく下回っている銘柄を割安と判定して購入。
長期にわたって保有し、大幅な値上がり益を手にしてきた。
はっしゃんさんの投資環境では、自作したプログラムによって上場企業の四半期決算が出るたびに理論株価が自動計算され、実際の株価が割安になった銘柄をチェックしている。その際のポイントは次の3つだ。
まずは、直近四半期の決算で変動したEPS、BPS、ROEを基に算出し直した理論株価が、前の理論株価の1.5倍以上に上昇している。
次に、算出し直した理論株価が過去5年の最高値を更新している。
そして3番目は、足元の株価が理論株価に比べて大きく割安になっている、だ。「半値以下が理想」とはっしゃんさんは話す。半値なら2倍高が狙えることになる。
はっしゃんさんの理論株価によると、上昇余地が最も大きいのは戸建て住宅の分譲が主力のケイアイスター不動産。
22年3月期の第1四半期(21年4~6月期)決算で、営業利益が前年同期の5.2倍に増えていた。
10月8日時点で足元の株価は理論株価の22.1%にとどまっている。
次に上昇余地が大きいのも、戸建て住宅メーカーのタマホーム。同社は21年5月期に過去最高益を更新した。
10月8日時点の株価は理論株価のほぼ半値だ。
「一方でタマホームは週刊誌やネットにネガティブな記事が出ている。悪評が広まれば、業績に悪影響が出かねない。そうしたリスクにも注意を払う必要がある」
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