https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD106KT0Q1A910C2000000
未上場資産を暗号資産(仮想通貨)の技術を使って電子的な有価証券にしたものです。
STには既存の株式や社債をトークン化したものと、これまで小口化が進まなかった資産を裏付けにトークン化して流通性を高めたものがある。
今後、より大きな市場拡大を期待できるのは後者。
トークンとはもともと、象徴や印など代替になるものを指します。
STは文字通り、紙の代わりに電子情報に置き換えたセキュリティー(有価証券)のことです。
資産価値があるものを裏付けとして発行されます。
三菱UFJ信託銀行は8月、不動産をデジタル証券化したSTを、証券会社を通じて投資家に販売しました。
このSTは不動産大手ケネディクスが保有する都心高級マンションの収益が裏付けで、購入者は想定利回り3.5%の配当金を受け取れます。
1口100万円(最低出資単位2口)に対し、40~60代を中心に200人弱が購入しました。
三井物産デジタル・アセットマネジメント(東京・中央)は、年内に不動産STを個人向けに販売する計画です。
300億円相当の物件を確保し、順次STにする方針で、3年で約1千億円の販売が目標です。
STは、文字通りトークンの範疇(はんちゅう)に含まれ、同じトークンでも、暗号資産との違いは権利性の有無です。
STは有価証券をデジタルな『トークン』に表章するというものですが、暗号資産は決済手段としては利用できても、それ自体に価値の裏付けとなる権利があるわけではありません。
また、『コンテンツ・著作物トークン』とされるものは、芸術作品やゲームキャラクターなどを分割できないトークンに表章するNFT(ノン・ファンジブル・トークン)を意識した記載と思われ、数量的に残高が記録されるようなトークンではない点で暗号資産と異なります。
STはブロックチェーン上の残高として記録されるもので、その取引を行うには秘密鍵と呼ばれるパスワードのようなものが必要です。
しかし、投資家が秘密鍵を自分で保管すると、そもそも紛失リスクがあるほか、そこがセキュリティーホールになりハッカーなどに狙われやすくなります。
証券会社や信託会社がカストディサービス(資産の管理・保全)を提供するSTの方が安全でしょう。
STの商品性を吟味することも大事ですが、誰が場(プラットフォーム)を運営し、誰が発行後に秘密鍵を管理するかなど、管理運用面の体制を調べてしっかりした業者を選ぶことも大切です。
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