https://www.nikkei.com/article/DGKKZO76164070Z20C21A9L83000/
マイナスは23区全体で28カ所あり、このうち半数の14地点が世田谷区内だった。
統計でも区内の19年の土地取引は10年前に比べ、件数が7308件から9936件に増える一方、面積は1件あたり134平方メートルから92平方メートルに狭まった。
区内では年間約7000人が亡くなり、それに伴う相続もあって土地取引は23区で最も多い。
土地の細分化は相続の増加を通じて加速しよう。
広い住宅志向が定着すれば世田谷離れの要因になりうる。
近隣には相続対策とみられるアパートもあった。
ただ鑑定評価書は「賃貸需要はあるものの、土地価格に見合う賃料水準に至っていない」と指摘。地価下落の一因とした。
地価の支えになるのが生産緑地だ。近所の畑で代々営農してきた農家は子が継ぐ。
生産緑地の期限切れを機に売りに出され、地価が崩れる「22年問題」が懸念されたが、対象の66ヘクタールのうち75%がすでに営農継続を申請。地価への影響は限定的とみられる。
世田谷区は7月、足元の人口減を受け、将来推計人口を下方修正した。
地価の下落幅はまだ小さいが、人口減が続けば響いてこよう。
東京が抱える様々な土地事情の縮図といえる世田谷区。
地殻変動は静かに進む。

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