https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1619M0W1A910C2000000
土地や建物を所有する「日本式」モデルから転換し、運営に特化する動きが広がる。
外資系投資ファンドが有力ホテルに関心
ファンドはワクチン接種が進めばコロナの感染は収束に向かうとみている。
「日本のホテルは中期的に魅力だ」(米投資ファンド首脳)との思惑があり、持ち込まれる物件の査定を進めている。
近鉄グループホールディングス(GHD)は今年3月、「都ホテル京都八条」(京都市)など8ホテルを米投資ファンドのブラックストーン・グループに売却すると決めた。600億円規模とみられる。
西武ホールディングス(HD)も「ザ・プリンス パークタワー東京」(東京・港)を含むホテルやゴルフ場など数十施設の売却に動く。ホテル運営はプリンスホテルが受託して続ける意向だ。
「所有」から「運営」にビジネスモデル転換
所有から運営にビジネスモデルを転換するホテルが相次ぐ。
ただ、こうした運営側の苦しい経営事情はファンド勢も見透かしている。
「電鉄系が運営するホテルを中心に山ほど案件が来るが、多くは買い手が付きにくい」(国内不動産ファンド幹部)と明かす。
鉄道会社などが運営しているビジネスホテルでは出張需要が今後も完全には戻らない懸念があり、投資リスクが高いとみられがちだ。
一方、京都や沖縄、北海道など有力リゾート地のホテル需要は底堅く、将来性も加味して海外で人気の高いエリアのホテルに投資する動きは根強いという。
近鉄のホテル買収の交渉過程を知る関係者は「ブラックストーンが特に欲しがったのは三重県の志摩観光ホテルだったようだ」と話す。
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