中古戸建て住宅の売買、「境界標」の確認を

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOMH068AO0W1A900C2000000

 

一般的な不動産売買契約書には、売り主が買い主に対して境界明示をしなければならないと記載されています。

境界明示とは、「隣地所有者からの異議申し立てのない完全な所有権の範囲はこれです」と買い主に示すことを意味します。

重要なのは、売り主が勝手に思い込んでいる所有権の範囲を示せばよいというものではないということです。

「隣地所有者から異議申し立てのない完全な所有権の範囲」というのは、境界標で囲まれた範囲のことを言います。

境界標は、資格のある土地家屋調査士などが測量を行い、その測量図に基づき隣地所有者の立ち会い・承諾を経て初めて設置されます。

境界明示に代えて、売り主が買い主に測量図を引き渡すことで済ませる場合もあります。

境界標がなくても測量図があれば問題ないと判断できる場合もあるのですが、これには注意が必要です。

測量図には確定測量図、現況測量図、地積測量図の3種類があります。

確定測量図とは、敷地を取り巻く全ての隣地所有者が境界線と境界点について合意した「境界確認書」がある測量図のことです。

現況測量図は、隣地所有者の意思とは関係なく、現況を土地の所有者の主観に基づき測量しただけのものです。

地積測量図は、法務局に備え付けられている測量図のことで、土地の地積変更、地積更正登記、分筆登記などの申請をするときに法務局へ提出されるものです。

2005年3月7日以降に作成された地積測量図は実質的に確定測量図と同等の効力があるといわれていますが、それ以前のものについては精度が必ずしも高くないものも含まれ、特に1977年9月3日以前の地積測量図は低い精度のものが多くあるとされていますので注意が必要です。