https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB00022_Q1A910C2000000
「映え」と「おうち時間」充実を意識
アート市場には債券や不動産などと同様にプライマリー(一次)市場とセカンダリー(二次)市場が存在する。
セカンダリーはいわゆる流通市場。相対での取引やオークションを通じ、買い手と売り手の需給バランスによって価格が決まる。
版画や写真を除けば「一点物」が中心だけに、買い手の数によっては相場上昇のペースが速まりやすい。
足元で人気を集めているのが現代アートだ。
金融資産としての魅力に加え、SNS(交流サイト)に慣れ親しんだ若い世代が「映え」や「おうち時間」の充実を意識し、投資との一石二鳥を狙う動きが出ているらしい。
火付け役は「ストリートアート」
日本国内でブームの火付け役となったのが「ストリートアート」と呼ばれるジャンルだ。
ストリートアートは1970年代に米ニューヨークで誕生し、キース・ヘリングやジャン=ミシェル・バスキア、バンクシーなどが独自のスタイルで表現を追求し、高い評価を得た。
ストリートアートのジャンルで頭角をあらわした日本人アーティストもいる。クールな表情の女性を描くことで知られるKYNE(キネ)氏だ。
KYNE氏の作品は7月にSBIアートオークションが実施したオークションでも引き合いが強く、作品は全出品作で最高額となる2070万円で取引された。
このほか、絵筆を使わず手に直接絵の具をつけ、鮮やかな色彩で少女の作品を多く描くロッカクアヤコ氏も評価が高い。
https://g.co/kgs/GcNRqg(キース・へリング)
https://g.co/kgs/7nZLsL(ジャン=ミシェル・バスキア)
https://g.co/kgs/7o5fQ5(バンクシー)
https://kyne.jp/profile/(KYNEキネ)
https://g.co/kgs/dqprMZ(ロッカクアヤコ)
株式や不動産にない「楽しみ」
定期的に部屋に飾る作品を入れ替えて生活空間を彩るとともに、作品の自由な発想にビジネス面で刺激を受ける。
アートは金融資産でありながら、株式や不動産などにはない「自らが楽しめる」要素を持つ。醍醐味の1つだ。
「有望銘柄」探すように
現代アート作品にはニュースよりも早く、その時々に起こっている事象や作家の思いが反映されやすい。
世界の潮流に目を向けながら次に世間に評価されそうな作品や作家を見極めるなどすることで、金融資産という観点からは値崩れが起こりづらくなる。
株式投資で有望銘柄を発掘するのと同じで、アートでも将来有望な銘柄(作家)を探しだして応援できるのが楽しい。

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