REIT市場に「クジラ」の影 GPIFマネー、ESG対応次第で流入も

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75399880S1A900C2EN8000/

 

REITはESG(環境・社会・企業統治)に取り組み、機関投資家のマネー流入に期待が高まる。

 

クジラが動いているのか」。

 

8月、「クジラ」ことGPIFが7月に発表した20年度の運用報告書で「MSCI Japan IMI REIT指数(グロス)」をベンチマークとするファンドの初購入が分かったからだ。

 

 

GPIFがTOPIXを日本株の指標の一つにしているように東証REIT指数を指標に採用し保有比率を高めるとすれば残り3.3%余り、「約1.5兆円(46兆800億円×0.033)分、国内株からREITに資金を移す余地がある」(モルガン・スタンレーMUFG証券の竹村淳郎アナリスト)。

REITがESGの取り組みを進めていることも思惑を呼ぶ。岡三証券によると物件の環境対応などを基に不動産セクターを評価する国際的な評価基準「GRESB」で、日本のREITの総合スコア平均は一貫してグローバル平均を上回る。

英指数算出会社FTSEラッセルも国内REITへのESGレーティング付与を始める予定。「(GPIFが指標の一つとしている)同社のESG指数へ組み入れられれば、GPIFや海外勢の買いが増える可能性がある」(岡三証券の並木幹郎シニアアナリスト)

REIT市場のクジラだった日銀は21年度に一度も購入がなく存在感は低下。新たな相場の支え役としてGPIFへの期待が高まる。