https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD038E10T00C21A8000000
銀座三越や松屋銀座、GINZA SIXが軒を連ねる銀座通りを中心に、有力企業が路面店を閉鎖する動きが目立つ。
オンワードホールディングス(HD)傘下のオンワード樫山が今年2月に「TOCCA STORE」を閉鎖。
7月には「23区GINZA」も撤退。
5月には青山商事が閉店。
同じ紳士服店でも「銀座英国屋」が2丁目の路面店を閉じたことに衝撃が走った。
20年には三陽商会が旗艦店ビルを売却。
飲食チェーンのグローバルダイニングも同年「モンスーンカフェ」「カフェ ラ・ボエム」などで構成する「G-Zone銀座」を閉店。
相次ぐ店舗再編、銀座の価値とは?
銀座通りには消費者を魅了する細かな工夫が施されている。
通常、繁華街の大通りは車道が広く、歩道が狭い。だが銀座通りの道幅(約27メートル)は歩道と車道の幅の比率はほぼ1対1。
歩行者を何より優先することをモットーに意図的に歩道を広げているのだ。
情報を発信する場としての銀座
地価の下落など足元の経済データは厳しいが、ブランド企業や百貨店、コンサルタントなどの間では銀座への悲観論は少ない。
ひとつは富裕層の消費が底堅いことだ。
三越伊勢丹HDの販売データを見ると、年間100万円以上を購入する上得意客の売上高減少率は、既存店全体よりも小さくなっている。
「高級ブランドは富裕層だけでなく、若い世代でも購買意欲は旺盛。海外旅行に行けない代わりに購入している」(松屋)
LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンなど高級ブランドは、銀座への投資を惜しんでいない。
グローバル企業や成長企業にとって、銀座のような一等地はデジタル化が進むほど、世界観や情報を発信する場としての価値が高まるのだ。
例えば、KDDIは銀座通りの山野楽器のビル1階に体験型のコンセプトショップを開いている。
店舗の統廃合が進む銀座の再編は、富裕層が楽しむ一方、力を失った日本勢がはじかれる近未来かもしれない。
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