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不動産投資 赤字でも売らないほうがいい物件とは

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOMH278YT0X20C21A7000000

 

相続対策で取得した投資用物件に関しては、売却が得策ではないケースがあります。

 

不動産投資で最終手取り額が赤字に陥っている場合、まずは空室を埋める工夫や運営コストを削減できる方法がないかを確認します。

 

打つ手がない、あるいは入居者を入れても採算が合わないと判断した場合には、売却を検討することになります。

 

ほかに収益を生む不動産を保有している場合は、借り入れによって取得した赤字物件を売却することで、借入金の返済が減少し、最終手取り額が思った以上に改善されることもあります。

 

こうしたことから、赤字解消が難しい物件を売却することは、ある一面においては決して間違ってはいないのです。

 

相続税への影響も考える

 

しかし、相続税を視野に入れると見え方が大きく変わってくる場合があります。

 

下の表のとおり、売却想定価格4億円、本物件の取得費(取得時の土地価格、減価償却後の建物価格、取得時の各種費用を合計したもの)を3億円とした場合、譲渡にかかる税金は約2000万円となります。

 

売却想定価格から税金と借入金を返済した後の残りとなる1億3000万円が最終手取り額となることが分かります。

 

次に相続税を概算してみます。

 

この物件の相続税評価額は、1億5000万円(路線価にて求めた土地評価額1億円、家屋の固定資産税評価額5000万円)でした。

 

この物件を売却すると、1億5000万円の不動産が減少、1億3000万円の現金が増加、相続財産全体から控除できる借入金2億5000万円が減少するので、結果的に相続財産は2億3000万円増加することになります。

 

仮に相続税の限界税率が40%だったとすると、相続税が9200万円も増加することになります。

 

このように、相続対策を目的として借入金で収益物件を購入している場合、仮にキャッシュフローが赤字に陥ったとしても、その赤字額の負担が過大でない場合は売却しないほうがよいことが多いものです。